初めての着付けは、めちゃくちゃ苦しかったです。

成人式をきっかけに、着物を親御さんやおじいさま・おばあさまに作っていただく方が多いと思いますが、若い頃、ちょっと斜に構えていた私は、成人式には出なかったので、二十歳のときには自分の着物を持っていませんでした。しかし、祖母は和裁の仕事をしていたので、絶対に私の着物を自分で作ると決めてくれていたようで、結局二十代前半に訪問着を作ってもらいました。
祖母はもちろん、着付けもできるのですが、私が着るときは、せっかくだから若い人向けの着付けをしてもらった方がいいと言って、祖母の家の近所の美容院を予約してくれました。着物を作ってもらって初めて迎えたお正月に、その着物を初めて着ることになりました。美容院には祖母も付き添ってくれて、着付けしてもらうところを見ていてくれたので、私は着付けの途中から苦しかったのですが、祖母が見ているから大丈夫だろう、着物はこんなものなのだろうと思って我慢していました。私自身はきつすぎるのではないかと思ったところもあったのですが、祖母は「この人(私のこと)は細いから、途中でゆるくならんようにしてね」と、締めつけを推奨していました…。
その後、せっかくだから良いホテルのレストランで食事をしたり、ホテルの庭で写真を撮ったりしようということになって、祖母は祖父や他の従兄たちと家にいて、私は両親と車で出かけました。車に乗っているあいだもろっ骨のあたりが苦しくて苦しくて、ずっと苦しいと訴えていたのですが、母も、祖母が付き添ったのだから着付けに問題はないはずだと思い込んでいて、「着物に慣れてないから苦しく感じるだけだよ」と言って、相手にしてくれません。
なんとか食事をして、写真も撮って、祖母の家に戻ることにしたのですが、もう帰り道、私は苦しすぎて気持ち悪くなってきました。祖母の家に戻り、「もう耐えられない!脱ぐ!」と言って、祖母と母に脱がしてもらったところ…私の胸まわりの紐のきつさを見て、二人とも「あー、これじゃあ、苦しいわけだわ…」と苦笑しました。だから言ったのに!
その後、友達の結婚式などに着ていくときは、同じ美容院で「この間よりもゆるくお願いします」と頼んで、ちょうど良い着付けをしてもらえるようになったので、特に用事のないお正月に試し着てみたのは本当によかったと思うのですが、それにしてもあのきつさは何だったんだろうと思います。祖母と同居していた伯母や従兄がかなり太めの体型で、その人たちに比べると祖母には私が非常に痩せているように見えて、美容院できつく締められていても、それでちょうどいいと思ってたのかもしれません。